スポーツクラブアクトスの業績(2022年9月)

会議の光景 スポーツクラブ分析

スポーツクラブアクトスの第2四半期決算発表がありました。株式会社アクトスは非上場企業ですので、親会社である株式会社バローホールディングスのIR情報から読み解くことになります。

バローホールディングスの決算書を見ると、「スポーツクラブ事業」の欄と「株式会社アクトス」の欄があり、微妙に数字が異なります。スポーツクラブ事業には株式会社アクトスに加え、株式会社アプローチ(テニス・バドミントン専門店)が含まれていますが、当記事では株式会社アクトスのみの業績を見ています。ただし、2022年7月1日付で、アクトスはアプローチを吸収合併していますので、第2四半期の業績からはアプローチの売上・利益が含まれているものと思われます。

【その他の第2四半期決算】
コナミスポーツクラブ
セントラルスポーツ
メガロス
ホリデイスポーツクラブ
イトマンスイミングスクール

アクトスの売上高

回復基調にはありますが、2021年と2022年で2.1億円しか違いがないため、回復が頭打ちになってきています。ここにアプローチの売上が含まれているとしたら、アクトス単体の売上は横ばいかもしれません。

アクトスはマイクロジム業態のWill_Gブランドを拡大し、大人会員を増やしてきましたが、コロナ禍ではそれが裏目に出てしまいました。

アクトスの営業利益

緊急事態宣言により全店休業となった2020年度は、同業他社と同様に大きな赤字を計上しています。しかし、その後も売上の回復速度が低調であることから、黒字化には至っていません。また吸収合併したアプローチも年間1~2億円の営業赤字であるため、テニス・バドミントン用品の販売も伸ばす必要があります。

アクトスの営業利益率

コロナ前から営業利益率2.5%と、あまり収益性が高くなかったことが、コロナ後の赤字に繋がっています。

今後の予想

アクトスはWill_Gブランドの直営店舗をいくつか閉店しており、フランチャイズ店舗も一部閉店となっています。税込3,300円(一部店舗は税込2,970円)で業界に価格破壊をもたらしたアクトスですが、最近ではちょこざっぷFIT PLACE24Life Fitなど、24時間使えて税込3,278円のジムが増えてきました。

価格競争も厳しくなる中、アクトスは、直営店舗の業績を上げつつ、フランチャイジーの離脱を防ぐという難しいオペレーションが求められます。

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